初めて見たのはTokay Gecko Award 2011。
その作品はパッと見、暗い?とか言われそうな絵だった。
でも私には暗さはいっさい届かず、どちらかというと黒い線の迷いのなさと何故か「綺麗な色」が飛び込んできた。
一応、絵を沢山見ている世界にいる人の端くれなので、その絵の普通はグレーっぽく感じられるであろう色調の中に「綺麗な色」を感じさせるこの作家は、どんな人なんだろう?と思って、見た瞬間から気になった。
線の綺麗さとウマさは見ればわかる。
でも、私が感じた、色の美しさと明るさはどこから来るのか、毎日眺めた。
不思議な絵だ。と。
グズグズ言わず、描いてるんだろうなと思う。キャンバスと作家の間がまっすぐ透明だ。
自分の絵を「どんな風にみられたい」とか「自分はこんな人間なんだ」とかいう余分な鬱陶しさがない。どちらかというと「見て見て僕、こんな絵を描いたよっ」て感じ。
中にはそんな風に見せていて、こちらが作家の思い通りの見方をしないとムカついたり、レポートまで書いて「僕のこの作品に込めたコンセプトがわからないのか」とかまで食い込んでくる作家もいる。自己表現はそれぞれだが、私はそんな作家は苦手だ。
作品に「それ」が現れてない以上どうやってもそうは見えないから、こちらの「見る力不足でごめんなさい」って感じになるし、言われれば言われるほど、説明されればされるほど、わからなくなる。この、実際ここにあなたが「これが自分の作品です」と言って、自分以外の人に見せている、その作品だけじゃだめなの?って。
この作品を見るには取説がいるの?って。
今回の個展でこの作家の絵を沢山見ることが出来て良かった。Geckoの時しか見てない作家の個展をする時はいつもドキドキする。あの時の印象を裏切らないで欲しいなって。
いい絵です。
もちろん、感想は人それぞれだと思いますが、私にはこれからのワクワクをくれる絵です。
見に来てくださいね。
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