久しぶりにお天気。レクターは雨が嫌いというか、濡れる前足と後ろ足が大嫌いなので、雨が降ると退屈そうにしている。でも、今朝は少し子供の頃の彼の様な目をしてこっちをみていた。
上田優子展も真ん中まで到達。毎日沢山のお客様が来てくれて、本当ににぎやかだ。優子ちゃんの人柄っていうか、みんなから大切にされてる感じがして微笑ましい。「NYに言ったって聞いて、ガリガリになっていたらどうしようと思ってたのよ」なんて優しそうに声をかけて帰られる奥様とか。
お客様の中に、最近版画を始めたという方がいた。いろいろお話していて楽しくなったので、(優子ちゃんの個展中にもかかわらず)いろんな版画をお見せしながらなんだかんだと話していた。駒井哲郎や坂東壮一の版画を始めて見たとおっしゃって、「こういう、作品もあるのねえ」なんて。でも、さすがに長い事絵を描いてる方達らしく「同じ黒でも全然ちがうわあ」なんて、一生懸命見ていた。そうなんですよね、作家によって、作品によって同じ黒でも同じ赤でも全然違うんですよね。そうして、きつい事を言えば他の作家と同じ黒しか出せてないうちはいい作品にはほど遠いんだと思う。私はもともと本当に綺麗な黒とか大好きなので、そんな作品を集める癖がある。そうしてその作品をじっとみていると、沢山の色があふれてくる気がする。そういう作品が好きだ。
皆さんもギャラリーに来たら、そこの人と仲良くなって収蔵品を見せてもらうっていうのも楽しみの一つですよ。
私は小さい頃からそこが画廊という事すら認識せずに(なんとなく絵が沢山あって何屋さんかなあ?くらいの感じ)何処でも入って行って、お店の人に「この絵は誰が描いたの?」とか「この絵より、この絵の方が好き」とか「絵はいいけどフレームがあってない」なんて平気で言う生意気なガキだった。でも、いつも来るもんだから結構その店のおじいさんとかに気に入られて、ちょっと暗い奥のスペースで厳かなマップケースの中から、いろんな作家の絵を見せてもらう様になってた。お話つきで。大人になって、「あーこの絵見た事ある!」とか、「えっあそこの画廊ってこんなに敷居が高い所だったんだっ」て驚いた事が何度かある。
本当に怖いもの知らずだったな。と。
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Aug 30, 2008
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