フランスの潜水チームが、泳いでるシーラカンスを撮影したドキュメントを見た。シーラカンスが生きてる!って話題になったのは、どのくらい前だったのだろうか。その時も興奮したけど、今回興奮したのは、その潜水チームは、潜水艇に乗って潜るのではなくて、人間の体のまんま潜って行くということ。もちろん素潜りじゃないよ。設備は、私たちがスキューバやる時と大して変わらないくらいの見た目。すごくない?
シーラカンスを撮影した人は「40メートル以上潜ると、死んでしまうっていうダイビングショップもあるけど、深海、流れの速いポイント、少し危険な海況で何回も潜ると、より良いダイバーになれるよ。少し若いダイバーにチャレンジをもっと与えないと、ダイビングはそのうちつぶれると思う」と言っていた。
成人式を見てて思った。この人たちに普通に残された時間を持ってすれば、不可能だと感じてたことでも、ちょっと目線を変えるだけで出来ちゃったりするんだろうなって。
でも同時に、言い訳をしている大人の仲間入りをしていることに気づいて「おいおいっ」って思った。若い人に残された時間と、自分たちに残された時間を比較してこれからのことを判断しているなんて、なんてつまらない大人の発想なんだ。
潜水のトレーニングを重ねて、深海まで潜るようになった人たちでさえ、浮上する時には40mあたりで何時間も体をならさないと、水面に出ることはできない。それは、個々の能力の出来不出来ということではなくて、人間の体にとって不可欠で仕方のない作業なのだ。
日光の届かない暗い深海での限界を超えた仕事を終えて、ほの明るい水面に手が届きそうな本来自分が生息する世界を目の前にしながら、4時間も5時間も水圧に体をならす。その時点でホッとするのか、焦ってしまうのか経験したことがないからわからないけど、複雑な気持ちになりそう。
もう一度深海に行くためには一度浮上しなければならなくて、浮上するためには体をならす時間がたくさん必要で。深海にそういう方法でいきたいと思わなければ、そんなことしなくてもいいのにね。
でも、できることなら見て見たいと思ってしまう。
多分、2017年は浮上するために体をならしながら、もう少しで水面に手がとどく時間を過ごすことになるんじゃないかなと。ここで、面倒くさくなって一気に浮上すると二度と深海にいけなくなるし、浮上することもできなくなるから。
人は20歳で大人になるんじゃなくて、自分ではどうしようもないことがあるってことを経験しながら、何かを学んで、ちょっとした解決策を見つけることを重ねながら、大人に近づくんじゃないかな。世間でいうところの大人に。もしかすると10歳でも大人な子供もいるのかも。
あっ、人間の身体に与える圧力の影響を感じてみたい人は、北欧のミステリー小説 、ユッシ・エーズラ・オールスンの「特捜部Qシリーズ・檻の中の女」がオススメ。「うわっ、まじっ、そうなんだ」ってなれます。
今年もやんわりと、よろしくお願いいたします。
皆様の日々が、元気で幸せに楽しく過ごせて行きますように。
Jan 12, 2017
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