Apr 10, 2013

未完成


プロを目指すという名目でやらせてもらっている公募展もはや12回。

面白いのは、未完成だけど今後が楽しみな作品に出会った時。
わくわくが止まらない。
言葉とは難しいもので、かといって稚拙だからこの程度でもいいと言っている訳ではない。未完成なのは、プロだろうと赤ちゃんだろうと立派と言われている大人だろうと同じ事。
だけど、その中に、その時々キラッと光るものがある。
その、キラッがたまらなくいい。

長年描き続けてきて、絵筆を持ったらサラサラ描ける人もいるだろう。
「描きなれてる」という言葉は好きではない。
人から見てサラサラ描いているように見えても、頭の中ではうるさい思考が乱れ飛んでいて人より処理能力が早いだけでそう見えているだけの人もいるかもしれない。
もともと、なんとなく絵を描く事が、ある程度器用で上手なんだろうな。
この線を、この色をどうするのか、瞬時に判断できるんだろうな。
そんな作品もあるし、
失敗して線が決まらなくて消しゴム沢山使ったのかもしれない。
作りたいもの、表現したいものをどうやったら紙もしくはその他のものに自分の内部から投影できるのか。そして、それを自分以外の誰かにちょっとでも伝えられるのか。
ここで止めるか、いや描くべきか悩んで止めたり、描きたしたり。
そんな作品もある。

いかんせん、それでも、どうでも、出来上がった作品にはいろんな事が出ちゃってるから面白い。

どんな風に考え、どんな風に描き、どんな時間をその作品の前で過ごしたか。

自信と不安がないまぜになった作品はとてもかわいい。
グランプリとってやる!っていう強固な意志が見え隠れする作品もかわいい。
前回は受かったけど、今年はどうかな?って作品も、前回はだめだったけど今回はいくでしょ!っていう作品も。

「目は口ほどにものを言う」というけれど、作品も本人以上に静かでうるさい。

それが、たまらなく嬉しい。

作品を作り出せる、生み出せるみんなは本当にすごいと思う。
こっそり自己満足しといてもいいのに、戦いの場に踏み出してくるみんなに心からの敬意を。

沢山のご応募、ありがとうございました。

あっ、でもこちらが「もうそろそろキラッは当然で、それを保ちつつ次のステージに行ってもいいんじゃない?」という作家(作品)には、どうしても厳しい審査になってしまいます事をお許しください。

No comments: