桜の散る頃になると、なぜか、「いろは」を思い出す。
いろはにほへど ちりぬるを
わがよたれぞ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみじ ゑひもせず
桜をみていると、
後、何度、この季節を迎えられるのだろうかとしみじみ思う。
春はいい。
お正月よりも、新しい一年が始まった感じを、新しい命の息吹を感じさせてくれる。もっと若いときは、春の宵などという頃合いを楽しむ程の余裕さえなかった気がする。桜の森の満開の下。
この世の春を謳歌している若者たちを見ていると、桜の満開の青い空にも負けないなんともいえない甘酸っぱさと、根拠なんてなくてもいい自信に満ち満ちていて、そう、君たちの時代だよと思う。
私にとってのその時代はとうの昔に過ぎ去った。
誰よりもなんの根拠もない自信に満ちていたよ。笑えるほど。
出来ない事など、何一つないと。
ただ、こんなに落ち着いた心持ちで桜の散り様を慈しんで眺められる様になった今の自分も、捨てたもんじゃないと思える。
もっともっと、人の世のよまいごとに動かされることのないなにかを持てるよう、美しいと思えるもの、私なんぞがいくら頑張っても届かないなにかを求めて、しなやかで強い心を持てるよう、そうして、それが、それさえも、最後にはすべてなくなってしまうのが人なんだなと笑って思える様な最後を迎えるような生き方をしたいものだ。
あさきゆめみじ ゑひもせず
遠いな。そんな人になれる道程は。
その時がきたら、桜の花が散り急ぐよりもあっという間だったと思えるんだろうな。
桜は、人生の最後を連想させる。どうしても、私には。
人々が、春の桜の盛りに気を取られている、かすみの少しかかったすこぶる青い青空の日に、さりげなく逝けたらいいなと、最近思う。
ただただ、「ごきげんよう」と、微笑んで。
Apr 1, 2009
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1 comment:
疲れてるんですか?
私はいろんなことを考えすぎて、頭が休息を求めております・・・・
そろそろゲッコウの投票が始まりますね。楽しみです☆
また会えるのを楽しみにしてます♪
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