Feb 19, 2009

僕にはもう無理だ

車を運転している時、ラジオから流れて来た日本の女性シンガーの歌の歌詞。普段あんまり邦楽は聞く事がない。理由は、なぜか昔からメロディラインにのって聞こえてくる日本語はほとんど一度聞いたら覚えてしまうくらい耳につくので邪魔臭いというか、ちょっと鬱陶しい。そう、こんな風にたったこれだけの言葉が妙に気になって仕方なくなるから。

なんだか全体的に恋愛の歌らしいのだが、始めて付き合った人の事は忘れないみたいな。でも別れた。色々あったけどいい思いでみたいな。そのいろいろあった部分を表したらしき所の歌詞。その男の人が彼女と別れる時に言った捨て台詞の様な物が「僕にはもう無理だ」なのだ。

素敵じゃあないか。
他人、もしくは配偶者や彼女や彼といった自分以外の人間に自分とのコミュニケーションをこれ以上「無理」と言わせるなんて、一体全体何をしでかして、どういう性格で、はたまた何がそこまで拒否されたのか。

どうも、私にはそういう事を男の人言わせる女の人っていのはいわゆる「いい女」なんじゃあないか?という方向に目を向けさせてしまう。計り知れなくて、常識の範囲内からちょっぴり外れてて、両手で抱きしめていたはずなのに、次の瞬間には他の物に興味をそらしている。男の人からすると「疲れる女」なのだろうな。多分、他人に依存して生きていないからそうなるのか。でも、女の人にそう言っちゃう男の人は、残念な感じがする。女一人くらい大きく見れなくてどうする?みたいな。たかだか女だろ?男にとって。ってさ。
まあ、逆の場合もそうだよね。「あなたには付いて行けない」なんて、おんなに言わせる男もかっこいい。

あっ。ちなみに全ていい方への解釈しか私はしていない。対象物の方が大きすぎて(例えば才能や性格、人生観やそういうの)アキラメを伴った感じの方を想像しているのであって、例えば、女の子なのに顔も歯も磨かずお風呂にも入らず、部屋にはゴミがうっそうと積まれていて、だからといって他人より秀でた才能がある訳でもないといった様な人が「僕にはもう無理だ」と言わせた場合や、なんの生きる目標もなく日々遊び暮らしていて、家族や周りの人を泣かす様な事しかしないで「あなたには付いて行けない」と言わせた様なパターンではないので、あしからず。

まあ、言った事もないし面と向かって言われた事もないので、そこまで相手にプレッシャーをかけてしまい、相手を置き去りにしてしまう様なパワーを持った、そういう存在って実際には見た事がないので見てみたい物だと、単純に思っただけだ。

芸術家や物書きには多そうなタイプだけど(自分の事をそんな風に思い込んでるだけで奇行にはしってみたりする勘違いな人っての多いけど)なかなか、いないもんだよね。そんな人が実際にいたら「私にはもう無理」じゃなくて、いつまでも一緒に見届けたいと思うもの。埴谷雄高とかペトロニウスとか、そうだなあ、おーレクター博士を忘れちゃいかん。そんな人だったら、いっくら振り回されても努力のしがいがあるってもんだ。

そう、こんな風にたった一言の日本語の歌詞でここまで飛躍してしまうから、邦楽は疲れるので聞かない。

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