病院で父の検査の合間に読んだ本。
感情の変化などというのは、理性ある知識人の意識にはのぼらないからである。従って「ナード」は、いつも場違いな事ばかりしでかしている。修道女にブラジャーをしているかなどどきいたり、葬式の最中に死体防腐技術について考察したり、何時間もまえに他の誰もがうんざりしてしまった話題について、いつまでもまくしたてたり、だれもが関心を持っている事柄を「無意味」と一蹴したり、いかにささいなことでも、あるいはその場の議論の本筋に無関係な事でも、事実誤認と思われる発言にたいしては牙をむいて襲いかかったりする、などなど。
MITを訪れた人ならだれでも、この大学の文化がナードの方に1、2度傾斜しているのを感じとる。中略、パーティでお互い同士が固まってしまう理由を、ある修士の学生が説明してくれたことがある。ふらふら歩き回っていると「いろんな人間が近寄って来て、『ボストンは気に入りましたか?』といったたぐいの、愚にもつかない事をきくんだ」と、彼は憤慨し、「いったい、あれはどういう意味なんだ?あんな質問に、なんとこたえればいいっていうんだ」と、侮蔑をこめていった。
「ナード」socially inept person: especially: one slavishly devoted to intellectual or academic pursuits.の略称らしいし、通常「ナード」は男に限られるらしい。
修道女はブラジャーをしているのだろうか? 気になる。だれもが関心を持っている事柄はたいていの場合「無意味」だし、事実誤認だと思われる発言に牙をむくことは普通だと思うが。
ただし、ここで使われている「ナード」は、ただの変わり者というレッテルだけでなく、MITの学生についての「ナード文化」なので、誤解のない様に。アインシュタインは奥さんに何度言われても、洗濯石けんで洗顔をしたというのと同じ様な使い方なのだ。
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