今、家には、自由に動き回るほ乳類として、黒い犬が一匹と白い犬が一匹と自分以外の人間が一人在中している。それも朝も夜も寝てる時させそこにいる。リビングのソファーは黒い犬とそいつが占領していて、家人たる私は、その他の椅子に腰掛けている。おまけに、TVで「相棒」とかいう番組やなんだかわからない、橋爪功が医者だったり新聞記者だったりする番組(多分似たような番組だが別番組と思われる)が、勝手にそいつの指先の目に見えないリモートコントロールで支配されて、映し出されている。時折、マイルスデイヴィスが遠くで聞こえているにも関わらず、TVもついてたりして、驚く。おまけに、映画を吹き替えでみる。
お風呂に入りながら本を読んだり、お風呂からあがって本を読んだり、いい香りのする間接照明のなかで音楽をきいたりDVDをみたり、ただただ静かに過ごしたりといった私の日常はどこに行ってしまったんだろう?
あれは、幻だったのか。
黒い犬と白い犬はご飯をあげて散歩に行って、時折おなかをぐりぐりしてあげると至極満足そうだ。他に何か要求するだろうか。
なのに、もう一つのほ乳類は、「ねえねえ、コーヒーちょうだい」「おーい、お父さんの靴下どこ?」「ねえねえ、水谷豊って東大でててキャリアのエリートなのに、自分からすすんでこの部署にいるんだよね。知ってた?」とか、「あーデザート食べたい!」「えっお風呂入るの?退屈だから早くあがって来てね」「セ トレ ○ンの、フランスパン買って来て」「眼鏡の新しいの作りたいんだけど」「春の新しい服買いに行きたい」
果てしない欲求を繰り返したあげく、「ねえ、疲れた。肩が痛いんだけど」
世の中には、立派に何年も介護をしている偉い人たちがいるけど、あの人たはどうやって自分と自分自身の折り合いをつけているんだろう。
本当に偉いと思う。偉い!
食事制限もされてるから、朝昼晩と奴ように食事を作って食べさせてる。なのに、羊羹食べたいとか夜中なのにおやつ食べたいとか。だめだっつってんだろ!っていうと、まるで、私の方が継子いじめしてると言わんばかりにいじける。
あーもしもいるとしたら、神様!やっぱり私のこれまでのわがまま好き放題の生活に対する代償なのでしょうか?もしかすると私は結婚すら出来るんじゃないかという気がしてきました。
昨日は、姪っ子が来て一日相手をしてくれたみたいで、ご満悦でした。
姪っ子に「おじいちゃん、うるさかったでしょ?」って聞いたら「ううん、男の人はおじいちゃんになっても子供だからあんなもんじゃないの?」「○○ちゃんは、真に受けすぎるから疲れるんだよ。わがままは聞き流して、だめな事はだめって言って、後は好きにさせてればいいよ」恐れ入ります。あなた、確か今年成人式でしたよね。
そうして、私はキッチンテーブルの上に彼奴のご所望通り買って来てしまった一口サイズの羊羹を置きながら、反省するのであった。
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment