本棚の整理というのは、始めるときりがない。
ついぱらぱらとやりだして、気がつくとフローリングに座り込んだまま、すでに暮れかかったなんとも寂しい部屋の中で電気もつけずに読みふけってしまったりして、おなかがすいたなあなんて思う頃には本棚の整理をしていた事をすっかり忘れて、頭の中はもうご飯の事でいっぱいだ。
子供の頃からそんな事を繰り返して来た。目が悪くなったのはそのせいなのだろうか。でも、子供の頃も今も不思議と暗がりで本を読むとわくわくする。うんと明るい蛍光灯の下だと、読む気がしない。
ピカソのリノカットの作品に「ランプのしたの静物」と呼ばれている作品がいくつかある。私はその作品達が結構気に入っているんだが、始めて見た時から懐かしい感じがした。薄暗くなったのも気がつかずに本を読んでいたあの時の感じが重なって、あの絵をみると懐かしいような気がしていたんじゃないかと、今日始めて思った。好き放題本を読んでいて誰にも邪魔されずに暗くなるまで没頭できてたあの頃のあの時間が大好きだった。「電気つけないと、目が悪くなるわよ」と母に見つけられてしかられるまでのスリリングな感じも加わってくるあの夕暮れ時。甘酸っぱくて懐かしい。今となっては、そんな時間も沢山とれないし、おまけにとれた時はとれた時で誰も私の目の事なんて心配してくれない。もうひとつおまけに夕食も出来てない。あーでも、幸せな記憶っていいな。
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