Sep 28, 2017

ジゴクノサタモカネシダイ を勘違いしていた件 と Bosch


「地獄の沙汰も金次第」

なんだかエグイ感じの言葉だ。
でも、こういう言葉があるってことは、一体全体どういう経緯があって作られたんだろうと思って。


説明するまでもないのは「地獄」

いろんな宗教や親の教えによって、捉え方が違うかもしれないけれど、要は「悪いことしちゃダメだよ。そんなことすると地獄に行くよ」なんていう脅し文句に使われることが多いのではないだろうか。

いつも思うのだけど、ダンテの地獄編にしても、福岡市博多区にある東長寺のイベントコーナーの地獄にしても(日本全国のいろんなお寺に似たものがあるが)何故か地獄のビジュアルや罪の種類、罪人の段階分けまでが似ているのはどういうことなのだろう。

人間の欲というのは、地球の東西を問わず同じようなものということなのだろうか。

じゃあ「沙汰?」って。

閻魔様は怖いものだと思っていたけれど、ただの裁判官らしいということをつい最近知った。私は勘違いしていて、お金を持っていけば閻魔様にいい感じに見逃してもらえることなんだと思っていた。失礼した。

「沙汰」とはもちろん裁判のことである。
その裁判、実は天国行き、地獄行きの結果をどうのこうのしてくれるということではないらしい。
あるお金持ちが死んじゃって、地獄に落ちて行く様を見たどこぞの和尚さんが「おーこのままでは〇〇さんは地獄に落ちてしまうー」と気づき、そのお金持ちの遺族に「残ってる財産を村人に分け与えなさい。さもなければその人は地獄にまっしぐらじゃー」と言ったので、遺族は「それは大変!」とばかりに、全財産を村人みんなに分け与えた。
そうすると、地獄行きだったお沙汰がまぬがれて、晴れて天国行きになったということから来たらしい。

和尚がなんで気づいたか謎だが、偉いのは和尚の言うことをきいて全遺産を村人に分け与えた遺族だ。
多分、この遺族も天国行きだろう。

それと、閻魔様に関する話で感心したのは、彼は罪人を落としたくて地獄に落としているわけではなく、彼なりにものすごく辛い判断を下しているとの事。その証拠に怖~い赤ら顔しているのは、目の前の釜でアツアツに煮えたぎっているドロドロの鉄を、人間を地獄に落とすたびに柄杓いっぱい飲んでるのだそうな。地獄に送った人間の辛さを一緒に感じてくださってるんだと。(多分諸説あり。信じるも信じないも。。。)

いい話じゃないか。

「金」については説明はいらないよね。

なんでこんな話をしているのかというと、大阪国立国際美術館 で開催中のボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ボスを超えて に、ボスの作品が来ているということなので(目玉はバベルの塔だけどね)、プラド美術館やベルギー王立美術館、ルーブルやベニスのドゥカーレ宮殿で見たボスの絵を思い出したから。


中でもドゥカーレ宮殿で見た「地獄・呪われた者の墜落」「地上の楽園・祝福された者の楽園への上昇」は何回も見たせいか、なんだか忘れられない。もちろん有名な「快楽の園」もずーっと見ていたい作品だけど。

とにかく、いろんな昔話の中に出てくる地獄の描写が似ている理由を考えてみると、どれかが起源で、そこから人の口や書物で広がって行って、各国でその国に合うように描写されたものなのか、もしかして本当に「地獄」っていうのがあって、その話が当然のように語られていて、どこの国でもたまたま偶然似ていた!っていうのか。それだったらすごいけど、それだったら怖い。それはないか。

なんか全体的にどの国の作品を見ても「天国」より「地獄」の絵の方が多いよね。
ダンテの「神曲」も地獄篇・煉獄篇の方が天国篇より力が入ってる気がする。ブレイクの挿絵も全体102枚のうち70%が地獄篇の挿絵だったと思う。

それはそうと、「ロトの妻」が塩の柱になったっていうくだりがあるけれど「塩の柱」ってすごい発想力だなと聖書を読んでて(世界的ベストセラーだからとりあえず読んでる)感心していたのだが、イラン・ザグロス山脈に塩でできた山があって、表面はそれこそ針の山のごとく風化でトゲトゲになっていて、おまけに遠くから見たら人が立ちすくんでいるように見える塩でできた柱があることも知った。おまけに絶え間なく燃え続ける炎の山なんかもある。

それを見て「地獄」見つけちゃった。と思った。
というか、地獄の描写はここを見た人が考えたんじゃなかろうかと思えて仕方がなくなった。

幽霊の正体見たり枯れ尾花

うーん。真実は触れようとするといつも遠くに逃げていく。

私の知人の中には、一生のうちにいろんな国の美術館にあるフェルメール作品を全部見て回りたいなんて、バーニー(ご存知の通り、レクター博士が収監されていたボルティモアの精神病院の看護人。礼儀正しかっったので、もちろん食べられてない。)のようなことを言ってる人が何人かいるけれど、私はボスを探し回ろうかな。
どうせ地獄に行くなら、ボスが描くキテレツな生き物(?)たちに囲まれて過ごしたい。
赤鬼や青鬼ばかりじゃつまらない。

みんなも、どう?

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