毎年この季節になると繰り返し捉われる思いがある。
「どうして?なぜ?」
もちろん考えても考えても答えは出ない。
なのに考えずにはいられなくて、時間があの時に引き戻されてしまう。
今年も春が来るよ。
あなたの好きな緑や空がこんなにも美しく真っ直ぐに新しい季節に向かっているよ。
花々の蕾ははちきれんばかりに膨らんで、あちこちから楽しげな鳥の声が聞こえるよ。
私は不覚にもこの世界が何て美しいんだろうと思う瞬間があるよ。
単純な心で申し訳ないけど、最近では特にそうだよ。
一緒に見たかった。
きっと笑いあって素直に綺麗だねって君は言ってくれると思うよ。
目を細めて空を見上げ、空を捕まえるほどに手にを伸ばして。
抱えていくよ。この思いを。
多分私があなたのところに行くまで。
消えることのない痛みと一緒に。
あなたを思うと切なくて涙が溢れてくるよ。
あと何回こんな春を過ごすんだろう。
何回繰り返しても構わない。
そうすることであなたを忘れないでいられるのなら。
ねえ、ほんとに悲しいほど綺麗な風が吹いてるよ。
世界の全てが生きることを滑稽なくらい喜んでるよ。
見においでよ。こっそり。
帰っておいでよ。ちょっとだけ。
一緒に「生きる」ってことを笑い飛ばそうよ。
たいしたことないじゃんって。
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