Apr 22, 2012

うらら。


先日、久しぶりにお会いした方から聞いた話。

若いデザイナ−の人が「今度、海外でファッションショーをするので生地を提供してほしい。どうかよろしくお願いします。」とその方の所にお願いに来たらしい。
そこで、その方は7-80メートルもの布地をそのデザイナーのために、オリジナルで織り上げて、なんと太っ腹な事に「この布地でどうぞ頑張ってきなさい。」とプレゼントしてあげた。

その後、ショーをしたことは、デザイナー本人からではなく外部からの情報で知り、終わったことも知った。

さすがに、若いデザイナーを応援する気持ちからそれだけの生地を提供したし、ショーが終わったら、なにかしら報告しに来てくれるだろうなと思っていたが、帰国したにもかかわらず、何の報告もない。

なにもないまま、3ヶ月経った。

やっと挨拶に来て「向こうから送ってくる資料を待ってたらご挨拶に来るのが遅れました。」などなど。
そして「また、次の企画もあるので・・・」という話をして来たので、ほんとはちょっとそんなものなのかなあと思いながらも「また、何かあったら協力しますから、言ってください」といったら、なにやらうやむやな反応をしたそうだ。
まあ、どうでもいいか。と思って忘れていたら、他の筋から今度のその企画は他の同業他社と行うらしいと。

かいつまんでしか書けないが、結果、その方の口からでた感想は「若い方はよくわからない。こちらも別に応援してあげたいと思ったから気持ちよく提供したし、望まれたもの以上のことを提案し、ともに制作したと思っていたから、なんだか哀しい気持ちになりました。まあ、次はないですね」と。

そしてその話を同年代の息子さんにはなしたら「そんなもんだよ。イイトコロドリだけして、次から次に利用出来る所は利用するんじゃない?そのくらいの感覚だよ。そういう人は」と言われて「そんなものなのかなあ」と思ったそうだ。

「そんな物かもしれないけど、そんな物じゃないです。それに、そんな人間ばっかりではないです。若い作家全部がそうじゃないです。絶対違います。」
としか言えなかった。

そこら辺のレベルでうろうろしている時は、周りもそういうレベルだし、もしかしたらそのデザイナーもいいように利用されてるだけかもしれない。
いつか、ごつんとやられます。そんなに甘くないし、そこをそこまで甘やかしてまで付き合いたいと、次のステージやその次のステージで活躍している人々が迎え入れてくれるでしょうか?どれだけの才能だっていうのか。

作品が良ければ人間性とか、常識とかどうでもいいんだよ。と言われたことがある。もちろんそうかもしれない。

でも、それを言える程、そんなことすら超越して作品がいい人に言われないと納得出来ない。

作家本人は、ものすごくいけ好かないやろうで、なんの常識もなくて、約束も守らなくて、イヤミッタらしくて、わがままで、ほんとどうしようもない奴だ!
でも、その作家の作品ときたら、どんなことをしてでも扱いたいし、なにがなんでも欲しい!と思わせられるならしょうがない。

そんな才能を持ってたり、なおかつそこまで登り詰める事が現実になるまでは、「ありがとう」や「約束は守ります」くらいは出来ないとだめです。

だって、ちょっと人よりデザインが得意だったり、絵が上手だったりする、ただの普通の人なんだから。

それとも、そういう人は、いい人ぶって応援していい気持ちになったんだから、それを後からどうのこうの言うのが大人げないんだよ。って思うのだろうか?

あーいい天気だ。

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